土曜日の午後、静かなリビングでくつろいでいると、キッチンから微かに「ポタ…ポタ…」という音が聞こえてきました。まさか、とキッチンに向かうと、蛇口の先から水滴が落ち続けているではありませんか。我が家の蛇口は築15年。ついに来たか、と悟りました。最初は気にも留めませんでしたが、だんだんとその規則的な音が耳につくようになり、何より水道代が心配になってきました。インターネットで調べると、パッキン交換で直ることが多いと知り、日曜大工が得意な夫に相談。夫も「よし、やってみるか!」と意気揚々でしたが、いざ元栓を閉め、蛇口のハンドルを外したまでは良かったものの、次のナットがビクともしない。力任せにやろうとすると、蛇口のどこかが軋むような音がして、これ以上は無理だと判断しました。下手に壊してしまっては元も子もありません。そこで、日曜でも対応してくれるという地域の水道業者に電話をしました。症状を説明すると、すぐに駆けつけてくださるとのこと。しばらくして到着したベテランの作業員の方は、まず蛇口の周りやシンクの下をサッと確認し、次に迷わず元栓を閉め、工具を取り出しました。夫が苦戦したナットも、専用の工具を使いこなしてスムーズに緩めていきます。作業員の方は「これは、ハンドルの下にあるパッキンが完全に劣化して硬くなっていますね」と説明しながら、古いパッキンを取り出して見せてくれました。確かに、ゴムというよりはプラスチックのように硬く、ひび割れも入っていました。新しいパッキンに交換し、手際よく蛇口を組み立て直すと、再び元栓を開けて通水テスト。レバーを閉めると、ピタッと水は止まり、あの不快な「ポタポタ」という音はもう聞こえません。わずか20分ほどの作業でしたが、プロの技と知識に感銘を受けました。夫が「自分で直せなかったのは悔しいけど、無理しなくて本当に良かった」とつぶやいたのが印象的です。やはり水回りのトラブルは、専門知識と経験を持ったプロに任せるのが一番だと痛感した出来事でした。今回の修理で、改めて日常の安心はプロの支えによって成り立っているのだと感じました。