蛇口からポタポタと水が漏れる現象は、部品交換で直ることも多いですが、時には蛇口そのものの寿命が原因であることもあります。「もしかして、うちの蛇口はもう限界?」と不安に感じる方もいるかもしれません。プロの視点から、蛇口の寿命を見極めるポイントと、交換を検討すべきサインをご紹介します。一般的に、蛇口の寿命は使用頻度や水質、製品の品質にもよりますが、おおよそ10年から15年程度と言われています。この期間を超えて使用している蛇口で水漏れが発生した場合、単なるパッキン交換では解決しない、より深刻な劣化が進んでいる可能性があります。例えば、蛇口本体の金属部分が腐食していたり、内部の複雑な機構が摩耗していたりすると、パッキンを交換してもすぐに別の箇所から水漏れが再発することがあります。見極めるサインとして、まず水漏れが複数の箇所から発生している場合です。吐水口だけでなく、ハンドルの付け根や、蛇口本体と給水管の接続部分からも水が滲んでいる場合、それは蛇口全体の劣化が進んでいる証拠かもしれません。次に、修理をしてもすぐに水漏れが再発するケースです。パッキンを交換したばかりなのに、数週間や数ヶ月で再びポタポタと水が漏れ始めるようであれば、根本的な原因がパッキン以外の部分にある可能性が高いです。また、ハンドルの操作感が異常に固い、または緩すぎる、異音がする、メッキが剥がれてボロボロになっているなど、水漏れ以外の不具合も同時に発生している場合は、蛇口全体の交換を検討する時期に来ていると考えられます。特に、シングルレバー混合栓のカートリッジは、経年劣化すると内部の摩耗が進み、水漏れだけでなく、水量の調節が困難になったり、お湯と水の切り替えがスムーズにいかなくなったりすることがあります。カートリッジは交換可能ですが、古い製品では部品の入手が困難な場合もあります。これらのサインに気づいたら、無理に修理を繰り返すよりも、新しい蛇口への交換を検討する方が、結果的に経済的で安心できる場合が多いです。最新の蛇口は節水機能やデザイン性も向上しており、交換によって水回りの使い勝手も大きく改善されるでしょう。