トイレのレバーを引いても水が流れない、あるいは流れてもすぐに水が止まってしまい、便器内に水がたまらないという状況は、トイレが故障しているサインかもしれません。プロの水道業者がトラブルを診断する際、いくつかの重要なポイントを確認することで、迅速かつ正確に原因を特定します。これらのポイントを知ることで、もしもの時に業者へ状況を伝える際にも役立ちます。まずプロが確認するのは、止水栓の状態です。これは最も基本的なチェックポイントであり、意外と見落とされがちです。止水栓が完全に開いているか、あるいは少しでも閉じている部分がないかを確認します。次に、タンク内部の給水状況を詳しく観察します。タンクの蓋を開け、水が全く供給されていないのか、それとも細くしか流れていないのかを判断します。水が全く流れない場合は、給水管自体に問題がある可能性(例えば、元栓が閉まっている、配管の詰まり)も視野に入れます。最も重要な診断ポイントの一つが、ボールタップ(給水弁)の動作確認です。ボールタップは、タンクに水を供給し、水位が設定値に達すると給水を停止する役割を担っています。プロは、まず浮き球が自由に上下するか、引っかかりがないかをチェックします。次に、ボールタップ本体から異音がしないか、あるいは給水口から水が適切に供給されているかを詳しく見ます。ボールタップ内部のフロート弁やダイヤフラムといった部品が劣化している場合、水が正常に供給されなかったり、給水が止まらなくなったりします。経年劣化によるパッキンの硬化や、水垢、サビによる詰まりがよく見られる原因です。さらに、排水弁(フロートバルブやゴムフロート)の動作も確認します。これは、タンク内の水を便器に流すための部品です。この部品が劣化して完全に閉まらないと、タンクに水がたまらないままチョロチョロと水が流れ続けてしまいます。プロは、チェーンの絡まりや長さの適切さ、ゴムフロートの劣化状態などを細かく確認します。これらの部品のいずれかに不具合が見つかれば、部品交換によって解決することがほとんどです。プロの診断は、これらの複合的な要因を考慮し、最も効果的な修理方法を提案してくれます。
トイレが故障?水が止まらない時のプロの診断ポイント