バリウムを放置したトイレの末路、詰まりの進行ステップ
流れなかったバリウム便を便器に放置すると、排水管の内部ではどのような悲劇が進行していくのでしょうか。その詰まりのプロセスは、いくつかのステップを経て、徐々に深刻化していきます。**【ステップ1:沈殿と停滞】まず、排泄されたバリウム便は、その重さから、一度の洗浄では完全に流れきらずに、便器の底や、その先のS字トラップのカーブ部分に一部が沈殿・停滞します。この段階では、まだ水の流れに大きな変化は感じられないかもしれません。【ステップ2:脱水と硬化の開始】次に、停滞したバリウムの周囲を水が流れることで、バリウムの水分が徐々に失われ、濃度が高まっていきます。そして、粘土のように粘度を増しながら、ゆっくりと硬化が始まります。便器の陶器表面や、排水管の内壁にへばりつくように固着し始めます。【ステップ3:障害物の形成】硬化したバリウムは、排水管内にまるで鍾乳石のような、あるいは川の中の岩のような、突起した障害物を形成します。この時点でも、まだかろうじて水は流れるかもしれませんが、以前よりも流れが悪くなったり、「ゴボゴボ」という異音がしたりといった、詰まりの初期症状が現れ始めます。【ステップ4:閉塞の完成】**そして最終段階では、このバリウムの岩に、後から流れてきたトイレットペーパーや排泄物、髪の毛などが次々と引っかかり、絡みついていきます。これにより、水の通り道は急速に狭められ、やがて完全に閉塞してしまいます。この状態になると、トイレの水を流しても全く流れず、行き場を失った汚水が便器から逆流し、床へと溢れ出すという大惨事を引き起こすのです。このプロセスは、数日から数週間かけて静かに進行するため、気づいた時には手遅れになっていることが多いのが、バリウム詰まりの恐ろしい特徴です。